こんにちは。アニソンDJのけんしろうです。
久々のブログ更新、なのに重い内容で誠に申し訳ございません。
色々あって現在、重度のうつ病になり全治2年となりました。
この記事は、医者のすすめもあり、心の整理をする為に書いています。
それと同時に、働いている人へ「働きすぎてはいけない。体は丈夫でも、心は丈夫とは限らない。」「うつ病の治療は、体の治療より遥かに時間がかかる」というメッセージを広く届けたくて書きました。
興味がある方は、お読みいただければ幸いです。そして広めていただけると嬉しいです。
※相当重い内容です。ご注意ください。
※今関わっているお店(大阪のCRC、東京のKKP)は私がうつ病になっても問題なく営業できています。全てのスタッフや関係者にありがとう。
特に大阪のCRC店長ひなさん、東京のKKP店長代行の甘乃あんこちゃんには、凄く感謝しています。皆さんおふたりを応援してください。僕はサポートに徹します。
※現在私が担当しているイベントは、私1人ではなく私と補助(サポート)の2人以上で対応していきます。(6~7月その体制で問題なくイベントが進行出来ました) これからもよろしくお願い致します。
経緯
関西で10年以上DJ活動&イベンターをやってきて、5年前ライブバー北新地CRCの店長に就任し試行錯誤しながら今の形を作り、若い世代に託して2年前東京に上京しました。
東京でもサウンドカフェ&バー 上野御徒町KKPをプロデュース&経営アドバイスをしたり、DJイベントの制作をしたり、Web制作のディレクションをしたり、音楽レーベルの立ち上げをやったり、そのライブの段取りや付き添いをしたりと、精力的に活動していたのですが、
慣れない東京の生活、フリーランスから会社化したことによる膨大な事務作業の増加、税金の支払いの為に無理して働くなど多忙な中、
大阪で運営しているお店が火事になり…
日頃より当店をご愛顧いただき誠にありがとうございます。
— 北新地CRC -COMMUNICATION ROCK CITY- (@crc_osaka) May 28, 2024
5/12未明に当店で火災が発生しました。幸い小火でこれによる怪我人などはいませんでしたが、スプリンクラー作動により下の階への水漏れなど、ビル関係者に大変ご迷惑をおかけしました。
続く↓
現場はパニック状態で、店長には店舗清掃に集中してもらい、ビルオーナーや被災されたテナント様とのやりとりは全て私が引き受けて対応しました。
罵詈雑言を浴びせる人もいれば、お店大丈夫ですか?と逆にこちらを心配されるテナントさんもいて。色々な人に合わせて対応をしていく内に、今まで溜まっていたありとあらゆるストレスが重なって、精神がおかしくなっていきました。
ものすごくテンションが高かったり、逆に沈んだり。ひとりになると「死ねばこの地獄から開放されるな」と考えてしまうので、昔からの親しい人に会ったり、なじみの店に行って馬鹿話したり、その気持ちを抑え込むよう努力しました。(小火についてはこの時点では言えませんでした)
なんとか営業再開の目処が立ち、病院で診てもらった所、5/15うつ状態、5/21うつ病と診断されました。
1ヶ月の休職が必要とのことでした。
しかし、自分の会社が5月決算で6-7月は事務作業が山積み、その上6月ぎっしりイベント制作など仕事が入っていました。
「薬飲めばある程度動けるだろう」と思い、働き続けました。
それが良くなかった。
「1ヶ月の休職」を無視して働いた結果…
うつ病で働いてはいけない。
不調を感じながら働き続けたところ、
6月中旬、急に町中で前兆なく座り込む、酷いときは気絶するなど、てんかんに近い症状が発症しました。
そして全く頭が回らなくなり、仕事もストップ。
あまりに様子がおかしいので、医師に相談したところ、非常に危険な状態とわかり
ヘルプカードを付けることになりました。
ヘルプカードとは、障害のある方が困ったとき、まわりの方に配慮や手助けをお願いするためのカードです。特に、聴覚障害者や内部障害者、難病の方、知的障害者など、障害者とは解りにくい方が周囲に自己の障害への理解や助けを求める手段として有効です。
https://www.city.taito.lg.jp/kenkohukusi/shogai/helpmark/help-mark_card.html
このカードは、外見ではわかりにくい重症患者につける意思表示カードで、いざという時の緊急連絡先が記載しています。
医者の「1ヶ月休職」を無視して働いた結果、このカードを付けないと外に出ることが出来ないほど重症になりました。
自傷と他害が強く出る精神状態に
てんかんの症状に加え、自傷と他害が強く出る精神状態になりました。
自傷とはリストカットなど自分を傷つける行為、他害はDVなど他人を傷つける行為です。
判明したのはスマホのメモから。医師に進められ、自分の精神状態がおかしいときは随時スマホに記録していました。
それをまとめて医師に提出したところ「自傷や他害の傾向が文章に明確に出ており、かなりの重症」「今すぐ入院が必要」と診断されました。
リストカットやDVなどはありませんでしたが、家財をボロボロに壊したりスタッフに心無い言葉を吐いたり等その片鱗は出ていたため、6月中は人と極力かかわらず自宅で大人しくしていました。
6月下旬、精神状態がおかしくなり、死ぬこと・刑務所に行くことを考えたが…
この頃は自傷と他害の欲求が強く出ていて、「正直いつ死んでもいいし、誰かに危害を加えるなら俺より強いやつを殺して刑務所に入ろう」と思っていました。
でも「いつか元気になって戻ってきてください。」と僕の居場所を守り続けるCRCのひなさんや、「私が倒れたらKKPが終わる!」と私不在の中でも不慣れながら一生懸命お店を切り盛りするKKPのあんこちゃんの姿を見て、
「私が死んだり誰かに危害を加えたら、ひなさんやあんこちゃんの足を引っ張るな」「それは絶対に、絶対に嫌だな」と考えを改め、治療に専念することにしました。
自分の中から湧き上がる自傷と他害の欲求を抑える為、あらゆる薬やストレス発散方法を探しました。
時間とお金を惜しまず、ありとあらゆる方法を手当たり次第。
結果、僕のストレス発散には、葉巻(喫煙)が一番効果があることがわかりました。
それからは1日に飲める薬の量を超えたときは、葉巻を吸うことにしました。
7月上旬、精密検査を受ける
そして7月に入りスケジュールが空いたところで一気に精密検査を受けました。
ADHDの検査から心理テスト、睡眠時無呼吸症候群の検査や脳波、心臓のX線から心電図まで。
7月中旬の先週末に検査結果が全て揃い、やっと治療と療養の計画を立てることが出来ました。
度重なるストレスによるうつ病、重度の無呼吸症候群、大量飲酒により心臓が他の人より大きくなっている、しかし脳波に異常はないのでうつ病治療を続けることでてんかんの症状は収まるだろうということで、
①禁酒を続けて心臓を小さくし肝臓を休める②うつ病と睡眠不足の合併症によりてんかんの症状が出ているので、抗うつ剤+CPAPによる治療③ストレス緩和・解消として葉巻を続けていくの3点で経過観測をすることになりました。
相当な精神疲労が溜まっているらしく、医者やうつ病経験者の話をまとめると、元の状態に戻るまで全治2年かかる見込みです。
7月下旬、今の私
7月下旬になった今は回復に向けて動いています。
ただ、以前のパワフルな私ではありません。ビジネスマンとして、DJとしての性能が大幅ダウンしました。
1日4時間しか働けない。
前は朝9時から深夜2時までの17時間働いても平気だったのが、体力と気力が一気に落ちて1日4時間しか働けなくなった。労働時間で収入を得る仕事は絶望的に。
1日ひとつかふたつしか、タスクをこなせない。
「領収書を整理する」「掃除をする」「ブッキングをする」など、昔は10から20のタスク(作業)をこなせても、今はひとつふたつが限界。
「ここはがんばるぞ!」が一切出来ない
以前だったら疲れた時モンエナとか栄養剤飲んで「もう一息!」「ここは頑張るぞ!」と頑張れたが、それが一切無理になった。体力ゲージというのが明確にあって、それが尽きると一切動けなくなる。
気力と体力がなくなり、徒歩10分でもタクシー
気力と体力がなくなり徒歩移動ができなくなり(徒歩10分でもしんどい)タクシーを多様することに。自転車もいつ気絶するか分からないので迂闊に乗れない。
家事がキツくなった
鬱になると色々できなくなる。「風呂にはいる(工程多い)」「外出する(音とか光でつかれる)」「外出の準備(工程多い)」「出社する(特に満員電車)」「料理つくる(工程多い)」「朝起きる(気合い必須)」どれも当たり前と思ってたけど、意外と体力つかってる。できたらすごいと思っていい。
— まなつ|うつ病🐰 (@manautun) July 11, 2024
本当にこの通りで、家の掃除はやらなくても私しか困らないからやりたくない。
家事ってものすごく工程が多いね。やりたくない。
家事ができるのは、健常者の証だと思う。
風呂がキツイ
風呂キャンセル界隈は別に風呂嫌いな訳ではなく、実際やったら10分で終わる食器洗いもやる決断をするまで数時間葛藤し続けるし、料理がめんどくさくて1日1食だったり食べない日もあるような感じで、ひたすら行動を起こすことが出来ずに1日ベットでただ倒れ伏してる人間のことを指します
— みずき (@mizukidayo1025) April 30, 2024
風呂は工程が多すぎて入りたくない。何とか頑張って、毎日シャワーを浴びて体を洗っている。人前に立つことがなければ、いまごろ相当やばい匂いになってると思う。(臭かったらごめん)
自炊が無理
ご飯も自炊は工程が多くて無理で、外食か冷食だけになりました。
三ツ星ファームのぶり大根かハンバーグをローテで食べてる。
外に出かけるのが、命がけのイベントになる。
「ダイソーに足りないもの買いに行く」だけでも、「自分の体力はもつか」「倒れたらどうしよう」と不安になり、細かく計画を立てないと迂闊に外に出れない。
重い物が持てない
重いものが持てず、DJブースを組み立てるのも一苦労。今はスタッフにお願いしてる。
納期や締切がある仕事が出来ない
症状がでてしまうと、仕事が全く進まないため
DJが出来ない
再生ボタンを押して音圧を合わせるぐらいならまだ出来るが、BEATFXやループ、HOTCUEを使ったテクニックなどが上手く出来ない。フリーセットでDJすることも不可能に。
機材トラブル時、臨機応変に対応できない
うつ病の中で配信イベントの仕事などもやっていましたが、スイッチングやパンズーム、配信用PAの操作を同時にやるのは不可能になった。DJ中のトラブル対応(HIDでエラーが出たときにとっさにUSBで場をつなぐ)なども不可能に。配信案件は断り、DJはトラブルが起きやすいHIDをやめてUSBメモリやLANに変えた。
タイテが押すと倒れる
働ける時間にリミットがあるためそれに合わせて薬を飲むのだが、タイムテーブルが押すなど起きると倒れてしまう。イベントでは必ずサポートで人をいれるようになった。
深夜イベントに行けない
帰りたいときに帰れないのがキツイ
音のバランスが悪いDJ現場に、長くいられない
低音ドコドコにボーカルだけちょっと前に出てるみたいなお店や、カラオケなどの小さなスピーカーで割れる限界値まで音を出しているお店など、音のバランスが悪いお店には1時間もいることが出来ない。スピーカーの出せる最大音量に対して余裕を持って音を鳴らしつつ、バランスの良い音が出ているお店ならまだ平気。
ライブ用の遮音イヤホンを試したが効果はなく、一番効果があったのはAirPodsProのノイズキャンセリングだった。本当に無理な時はDJが曲流している中でAirPodsつけてる。マジごめん。
葉巻なしでは生きていけない
去年12月からアルコール中毒の治療のため酒をやめているが、そのかわり葉巻が増え、今回うつ病になってもっと増えた。1日に飲める薬の量には限りがあるので、その分吸う量が増えた。(葉巻だけじゃなく、紙も加熱式たばこも吸っている)
という感じです。
お店は大丈夫なの?
そんな状態で「けんしろうのお店、北新地CRCと上野御徒町KKPは大丈夫?」と思われるかもしれませんが、早々に私がいなくても運営できる体制を作っていたおかげで、問題なく運営できています。
今の私は、機材メンテナンスやドリンクの仕込み&仕入れ、スタッフの給与計算、店舗への問い合わせ対応など、店舗に立たず後方支援になりました。
なので今は「けんしろうのお店」ではありません。(そもそもCRCもKKPも、私がお金を払って建てたわけでも、会社の株を持っているわけでもない=お店のオーナーではないので、私の店ではありません。)
ご安心くださいませ。
「長」とつく役職を辞めました。
東京のオーナーに「よく店長と勘違いされてストレス溜まるから、新しい名前を考えてくれ」と伝えたところ、マスターという肩書をもらいました。最近クラフトコーラやカクテルレシピを作っているのでマスターという名前はしっくり来ました。肩書が必要なときは、東京ではマスターを名乗っています。でも基本肩書は好きではないので、気楽にけんしろうと呼んでいただければ幸いです。
全治2年になったDJから、働く皆さんに伝えたいこと。
さて全治2年のうつ病になったアニソンDJの私から、働きながらDJ活動されている皆さんに伝えたいことがあります。
1.1日8時間以上、働くな
私は30歳から41歳まで、昼と夜合わせて最大16時間働いていました。
正社員だった35歳までは、昼仕事して夜はアニクラのブッキングやフライヤー制作、スタッフとの打合せを行っていました。多くて月3-4本の主催をやっていて、昼9時に仕事を始めて夜3時まで仕事をしていました。これが5年間。
36-39歳のフリーランスとしては、昼は以前の仕事を続けつつ新しい仕事を獲得して、夜はCRCのしごとをしていました。昼10時には仕事をはじめて深夜6時に寝る生活を続けていました。これが3年。
40歳になってからは社長になり、CRCの経営関係の面倒を見つつ、東京店舗の立ち上げと運営、イベント制作、東京の企業のコンサルなど、多岐にわたり仕事を増やしました。会社にしてしまったので今の月商80-100万円程度ではとても税金を払えないので、無理して月商を倍に増やしました。
そのタイミングで、CRCのボヤ騒ぎが起き、その対応を終わらせた後にうつ病になったわけです。
1日8時間以上働くと体に支障が出るというのは本当でした。労働基準法ってメッチャ理にかなった法だった。作った人えらい。
8時間以上働いちゃダメです。サビ残とか絶対ダメ。
2.自分のかわりを育てること、メッチャ大事。
幸い、私がうつ病になってもCRCには店長のひなさんがいて、KKPには店長代行のあんこちゃんがいました。
私がいない間もお店は問題なく運営され、大変助かりました。売上も下がることなく、何も問題がありませんでした。
感謝感謝。今やひなさんもあんこちゃんも、大切な人です。
これが「私がいないと動かない、売上が下がる」という状態だったら、最悪でした。スタッフの生活に影響します。
今店長職をされている方は、早く店長代理を作ることをオススメします。大事なのは副店長ではなく、同じ立場で意見を言える店長代理というポジションです。店長不在時に店長と同じ判断ができる人を育てることです。
3.DJに伝えたい。DJイベント主催のマネージメント経験、マジ役にたつ。
つくづく思うのは「12年間、DJイベントやって良かったなー」ということ。先述の2は、ミナトレイヴというイベントで培ったノウハウが元になっているのですが、今回アニクラ(アニソン中心のDJイベント)を長年主催しつづけた経験が大いに生きました。
DJイベントの主催というのは本当に大変で、会場責任者との交渉やDJとの人間関係、ボランティアで参加していただいているスタッフ、フライヤーを制作するデザイナーとのやりとりなど、マネージメントしなきゃならないことが多岐にわたります。
DJは絶対、DJイベントをやっていたほうが将来役に立つと思います。特に年収を上げたい人。マネージメント経験は必要不可欠です。推しの子2期でも「一人の天才だけじゃ漫画は書けない。アシスタントが必要」というシーンがあったと思いますが、どんなに天才的な人でも絶対にマネージメントは発生します。
マネージメント経験を積む意味でも、定期でDJイベントを主催してみてはいかがでしょうか。
そして最後に
4.無理して働くな。心は体より、治りが遅い。
私は自分が無理をして働いている自覚が全くありませんでした。「16時間働いても平気」「丈夫な体に生んでくれた母に感謝」と思っていましたが、心はそうではありませんでした。
心が死ぬと全治1-2年なんですね。体より治りが遅い。これを知らなかった。
うつ病になって初めて知りました。体を怪我するよりずっとやばいです。
「無理した働くと体壊すよ」とよくいいますが、それよりも心を大切にしてください。
最後に
本当に心の底から、みんなにはうつ病になってほしくないと思います。
皆さん、無理をしないように。
お伝えしたいことは以上です。
全治2年。治療していきます。
私が動けなくてもCRCとKKPは問題なく営業できています。両店のご愛顧よろしくお願いいたします。
(ここから先は生々しい話になります)
それにしても。
精神状態はだいぶマシになりましたが、ふところ事情は最悪です。
9月から月商が最大200万円から50万円と半分以下になる見込みの上、2期目の決算が赤字500万円の見込み、その上個人の借金が700万円を超えました。
部屋は葉巻臭いし、どんだけ歯磨きしてもファブリーズしても体から葉巻の臭いがする。
マジヤバです。これからどうしよう・・・
何とか生きていきます。
仕事ください
お金すごく無いので、納期の緩いPOP制作やLP制作など何か案件ありましたら、ぜひ教えて下さい。(8-9月は鹿児島に帰省していますので、製作開始は10月になります。)POPは5000円~、LPは5万円~で受けています。
あとLステップの設定代行など出来ます。これは作業量によりますが3万円から承ります。
よかったら買って下さい
あと、DJさん。昔売ってたアニソンDJの教科書がAmazonで販売されています。
2018年のままで中身古いですが、応援の意味で買っていただけると私の懐が少しうるおいます。そちら購入よろしくです。(ちゃっかり宣伝)
これからについて
自分のペースで出来ることをやっていきます。肉体労働で稼ぐのは無理になったので、もっと自分の商品とか作っていこうかな。
今までと違う活動で収入を増やしていきます。
けんしろう