アニソンDJのけんしろうです。毎度お騒がせしています。
「オファーが欲しい時に実践していること」という記事が1日で1,000人以上に読まれまして。
TwitterやFacebookでも様々な反応があり、
- DJの腕前以外も必要だよね。人と人の関係なんだから。
- DJの腕前以外は関係ない。自分が好きなことをやれたらそれでいい。
等、色んな意見がありました。
その反応を踏まえ、僕が何故DJの腕前以外にも力を入れるようになったのか?
そのキッカケについて、書きたいと思います。
僕がDJオファーを断られたときの話です。
はじまり
僕は以前、オールジャンルのアニソン系DJイベントではない、もっとジャンルを縛ったDJイベントを主催していました。
そのイベントは3ヶ月に1回くらいのペースで開催される、だいたい80~100人前後集まるイベントで、みなさんのおかげで大変盛況だったイベントでした。
熱烈なファンも多く、その期待に答えるために東京からもゲストを呼んだり、オリジナルの企画を考えたりと色々工夫を凝らしていました。
ある時、僕は一人のDJにゲストDJオファーをしました。
関西のアニクラを牽引するDJで、DJレベルも高く、魅力的なコスプレもされていて、とても1-2年の新参者主催である僕がオファーするのも気が引けるほど凄いDJでした。
でも、僕と同じジャンルのイベントに昔出演されたことを聞き、勇気を出してオファーしました。
「すいません、当イベントに出演いただきたいのですが、可能でしょうか?」
おそるおそるお伺いすると、「いいよー」とご快諾いただき、打ち合わせを進めていました。
一本の電話
そんなある日、
そのゲストDJから「今から電話大丈夫?」とLINEが飛んできました。
どきっときました。
「なぜ、電話なのだろう?」
そのゲストDJとは既にLINEを交換済。
要件があればLINEで済む。
もしかして、なにか僕はやらかしてしまったのではないか?
失礼なことをしたのではないか?
そう一気に不安になりました。
手が震え、おそるおそる「かしこまりました。」と返信。
連絡を待ちました。
死刑宣告を受ける前のような、そんな気持ちでした。
電話はスグにかかってきました。
「おつかれー今大丈夫?」
「はい!大丈夫です!」
…全然大丈夫ではない。
ずっと冷や汗をかいている状態。
なんだ?
何を言われるんだ?
怖い。
怖い!
「実は、次の出演、また今度にしてほしくて。」
そう言われた瞬間、いっきに血の気が引きました。
うわ最悪だ。
やってもうた。スケジュールが開いてることを確認した上でオファーして延期して欲しいというのは、何かあったんや・・・
何かやらかしたんや僕…
まだ開催まで3ヶ月あるから時間は大丈夫だけど…
それ以上に何故断られたのか、理由が怖い!
理由聞くの、超怖い!
「そうなんですか…」
力なく答える僕。
理由を聞けない。
怖い!
怖い!
僕はただただ、自分の無力を感じていました。
一瞬の静寂。
すると、向こうから
「オファーを受けといて申し訳ないのだけど、やっぱりね、しっかりとハマりたいんだ。」
と、照れた感じで伝えてきました。
聞くところによると、オファーを受けた後、ずっと考えていたらしく。
以前DJで出たことがあるジャンルのイベントとはいえ、ブランクがある。
「最高のDJ」をするためにも、もっとアニメを見たり、ゲームをする準備期間が欲しいなぁ。
コスプレもしたいし、やっぱりそのコスも作り込みたい。最高にしたい。
ということでした。
「やっぱりね、お客さんの前でDJするから、もっとハマって、しっかり準備したいんだー。だから時間がほしい。ゴメンね(´・ω・`)」
そういう事情でした。
僕は感動しました。
そこまでイベントやお客さんのことを考えて頂いているのか!と。
アニソンDJってすごいな!
愛にあふれているなぁ!
そう思いました。
「わかりました。その次の回必ずオファーします。僕も準備をします。」
そう伝えると
「ほんとゴメンねーよろしくー(*^^*)」
と明るい調子でお答え頂き、その日は終了しました。
そして3ヶ月がたち、再オファーしました。
「今度は、準備バッチシだよ!」と快くオファーを快諾いただきました。
イベントの魅せ方から、細かい打ち合わせを経て、DJイベント本番。
ドキドキの当日です。
当日
当日、ゲストDJさんが会場入りし、細かい調整を経て、顔合わせ完了。
「じゃぁちょっと着替えてくるねー」とゲストDJが着替えに行きました。
それから。
着替えてきたゲストDJが現れました。
それは完璧で。
ゲームのキャラクターのコスプレだったのですが、ゲーム画面からそのまま出てきたようなクオリティ。
圧巻でした。
「すげぇ、まじもんだ。」
その時点で、今日は最高の1日になる、と確信しました。
お客さんが入場してゲストDJを見るたび
「うわー最高(泣)」
「写真取ってください!」
と長蛇の列。
しかも、そのキャラクターのイメージどおりのポーズをする。
「キャラクターイメージを崩さないよう、よく研究されているなぁ」と驚きました。
そしてゲストDJの時間。
DJブースに上がれば、DJの顔。
DJは、更に最高でした!
最高にかっこよかった。
それはそうです。完璧なコスプレに最高のDJ。盛り上がらない訳がない。
「最高のDJするために、もっとハマりたいねん」
その言葉が何度もリピートしていました。
フロアは最高に盛り上がり、終わった後も興奮冷めず。
色んな人と写真をとったり、お話されたり、お客さんはみんな笑顔で楽しそうでした。
そこにはイベントのために、お客様のために、パーフェクトに合わせたゲストDJの姿がありました。
…僕はただ感動していました。
あぁ、素晴らしいイベントになったなぁ、と。
オファーして良かったなぁ、と。
そして今
あれから1年。
今でもこの時の事を思い出すと、胸が熱くなります。
僕は何よりも、まだ主催をはじめたばっかりの僕にわざわざ電話で連絡して、事情を話し、イベントとお客様のためにあらゆる準備をし、最高のDJをしていただいたこと。
その真摯な姿勢に、感動しました。
今でもあのときのこと、すごく感謝しています。
正直イベント主催は楽しいことだけではありません。色々準備したけど皆楽しんで頂けるかなとか、当日まで不安で苦しいことのほうが多いものです。
その不安の中で一緒に楽しいパーティーを作ってくれる人には、誰よりも感謝しています。
それ以上に細かい所に気遣いをいただき、丁寧に対応頂いたこと。
その人は、DJとしても素晴らしく、人間的魅力に溢れていた。
僕はこういう経験をしたからこそ、
DJの腕前だけでなく、人としても魅力的でありたいと思うようになりました。
こういう体験をすると、そういう自分になりたいなと思うんです。
楽しいパーティーを作るために全力でありたい。
あの人までのDJの腕と魅力になることは、まだ叶わないけど、でも目指したい。
DJとしても人間としても、最高の自分でありたい。
今でも心の底から、そう思っています。
まだまだですがw
僕はアニクラに出会って、本当に良かったと思います。