アニクラの作り方 ミナトレイヴ

関西アニクラの常識を破壊する為に、ミナトレイヴが挑戦した7つのこと

2016/08/17

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アニソンDJのけんしろうです。

ミナトレイヴ大盛況のうちに終わりました。
ご来場頂いた皆さん、ありがとうございます!

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最終157名、16万円以上のカンパが集まりました。心から御礼申し上げます。
ミナトレイヴ公式ページでもご挨拶させていただきましたのでご覧ください。

さて!

「アニクラ人口の拡大」をテーマに実行されたミナトレイヴ。

そのテーマを実践するためには今までの関西アニクラのやり方では上手く行かないと。

今までの関西アニクラではやらなかった、常識を破壊する仕掛けが7つ用意されていました。

はじめにお伝えしますが、決して今のアニクラに不満があるわけではありません。ただ新しいアニクラの見せ方を確立させないといけないという危機感が自分にはあって、行動を起こしました。

かかった費用は約16万円。たくさんの人を巻き込んで行った勇気のいる挑戦でしたが、結果を出した今挑戦して良かったと思います。様々な人がこの挑戦的なアニクラにご協力・協賛いただいたことで新しいアニクラの可能性を示すことが出来たと自負しています。

ではその7つの挑戦について、お話いたします。

「何も考えず適当に野外イベントをやったわけではない」ことが伝わればいいなと思います。

(上手くいったから記事にするのも調子がいい話ですが、だれもやらなかった挑戦なので大目に見て下さい!)

1.都会の真ん中で野外アニクラをやる

通常野外イベントをやるとなった場合、公園や広場、野外音楽堂などを利用します。

同時期にいくつか野外DJイベントが立ち上がりましたが、花火大会の会場や川の近くなどアウトドアのイメージが強い場所で行われていました。

しかしどの場所も遠い。

「アニクラ人口の拡大」を目指すには、誰もが知っているふらりと立ち寄れる場所でアニクラをやる必要がありました。

今回ミナトレイヴが使用したのは都会のど真ん中。駅から徒歩1分。

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湊町リバープレイスのプラザ1という広場を使いました。
広さは約200平米。

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200平米という広さは、スタッフを5-10人ほど配置してやっと運営できる広さ。野音になるともっと人が必要になるのでちょうどいい広さでした。

そしてこの場所、野外ではありますが定期的に警備員が巡回しています。

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ミナトレイヴ会場の安全はスタッフで守りつつ、更に外側は警備員が守るという2重の体制(しかも警備員のお金はかからない)。

初めての野外レイヴには最適だと思いました。

2.大阪市の施設に許可をとってアニクラをやる

ミナトレイヴの会場、湊町リバープレイスは大阪市の施設。下調べを入念に行いアポをとりました。

平日昼、名刺を交換した後に打ち合わせ。僕は法人ではなく個人。しかも提案するのはクラブイベントってことで、信用頂くために時間と手間をかけました。

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相手に分かりやすく図面で説明したり、アニソンDJとしての経歴やこれまでの経歴を説明し、アニクラとはどんなものなのかを出来るだけ分かりやすく説明した結果、条件付きで許可が降りました。時間はそこまでかかっていなかったのですが、事前に資料を作ったり現場を何度も下見していた経験が活きました。

結果、湊町リバープレイスの信用を通して警察署・消防署・自治体の許可がとれることになりました。

3.無料でアニクラを見せて、気に入ったらお金を払う。

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今回は「アニクラ見学無料」のキャッチコピーをガンガン使いました。「見学してみて、楽しそうだったら1,000円カンパして中に入ってね」のスタイルを突き通しました。

この広場では必ず中央施設への通路を確保しなくてはならないのですが、その通路を見学エリアとし広場内をカンパエリアとしました。

「音楽のほとんどを無料のYoutubeで聞く」生活習慣となりつつある若い人。むしろ「無料じゃないと音楽は聞かない、音楽イベントにも来ない」のじゃないかと常々思っていました。

ならばミナトレイヴも音楽を聞くだけなら無料にしようと思いました。

ただし!ただ単に無料にするだけでは意味がありません。今後ミナトレイヴを続けていくためには収益が必要です。音楽業界がLIVEに力をいれているように、楽しい体験に対してお金を払っていただくことは出来ないかと考え、結果カンパエリアが生まれました。

「音楽無料、楽しい体験はカンパしてね♪」という仕組みは、蓋を開けてみれば157名になりました。想像以上でした。

4.入場料ではなく、カンパという表現

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アニクラ見学エリアとカンパエリア。このふたつは紐で区切られているだけです。この2つのエリアに差はほとんどありません。音が聞こえにくいぐらい。

その為「エリアに入場する為の入場料」ではお金をとりにくいと思いました。無料でも楽しめるからです。だから「このイベントをもっとやってほしいという気持ちのカンパ料」という表現にしました。

意外だったのは「ヲタ芸も打たないしカンパエリアには入りづらいけど、またやってほしいのでカンパする」という方が多数いらっしゃったこと。これがもし入場料という文言であれば、カンパエリアに入らない人にとってお金を払う意味がなくなり157名という数字は生まれなかったと思います。

イベントに価値があると思ってカンパして頂いた皆さんには、ほんとうに感謝しかありません。

5.スタンプではなく、バンドで判別

カンパ頂いた方には、必ずリストバンドを巻いてもらいました。

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以前主催していたイベントからの慣習で、「お金を払った人は目で見てすぐ分かる」ようにしていました。

以前も昼イベントを行っていたので、お酒が呑める人呑めない人が明確にわかるよう色違いのバンドにしていました。クラブイベントで起きるトラブルはお酒のトラブルが多く、お酒が呑めない人に絡むケースがあったので、ひと目でお酒が呑めないと分かる仕組みを導入していました。

今回のミナトレイヴの場合、カンパ頂いた方の腕にバンドを巻くことでカンパをして頂いた人か見学の人か、ひと目で分かるようにしていました。

腕にバンドを巻いていないのにカンパエリアに入っている人に注意をする以外の用途として、カンパエリアの外で休憩している人が、カンパ頂いた人なのか見学しているだけなのか、それによって声のかけ方を変えるようスタッフに依頼していました。どちらも丁寧に対応するのですが、カンパを頂いた方へはより丁寧に対応するのに、このバンドの仕組は上手く活用できました。

6.コスプレ割廃止、逆にお金がかかるように

通常アニクラの場合、コスプレで参加すると割引になります。

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ところがミナトレイヴの場合、コスプレすると逆にお金がかかります。

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500円別途かかるんですね。

この理由としてコスプレイヤーさんが参加されることにより更衣室の用意や湊町リバープレイスとの警備体制見直しなど諸費用がかかるからでした。

別途料金にすることにより、1人もコスプレイヤー来ないんじゃないかなと思ってましたが、10名以上のコスプレイヤー様が参加されていました。おかげさまで非常に盛り上がりました。本当にありがとうございます。

コスプレイヤー様に更衣室代や警備代をご負担頂くというモデルが関西で確立できたので、コスプレ撮影会を開催している会社に委託するなどの道も見えてきました。やはり安心して楽しんでいただきたいと思っていますので条件が合えば今後は提携していこうと思います。

7.小さい音でも気持ちよく聞こえる、本格機材。

音楽の騒音について施設側から要請が多くあったので、今回音が小さくても気持よく聞こえる、会場意外に音が飛びにくいスピーカーを使用しました。

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Electro-VoiceのZLX-12Pは、本当に使い勝手が良くて僕のブログでも紹介しています。

元々2台持っていたので、ミナトレイヴのためにもう1台購入。

当日使用してみましたが、結構な音量が出ていましたが近隣からのクレームはゼロでした。

このスピーカー、指向性が高いので会場内は音楽がしっかり聞こえて、離れると音がこもって聞こえます。カンパエリアと見学エリアの差は出ていました。

DJモニター用に1台、フロアに2台の計3台使用しましたが、パワー8割の運転で音量は十分でした。

ぜひ野外レイヴをされる際はお買い求めくださいw

あと、音量が小さくても気持ちよく聞こえるように、機材はクラブと同じ仕様にしました。

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あと、ミキサーはDJM-900nxs2に買い直し。

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このミキサー、CLIPが表示されるようになり音が割れたり悪くなると教えてくれます。

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あとはFX関係はすべて作り直し、サウンドカードもパワーアップしているそうです。
詳しくはミナトレイヴにご協賛頂いたOTAIRECORDさんの解説動画がありますのでぜひ。

このミキサーに変えるだけで、音がかなり良くなりました。高かったのですが良い買い物です。

(ちなみにこのDJミキサーとスピーカー1台追加の購入代金はイベント経費に入ってません。完全な趣味で買った。後悔はしていない!)

それでも課題は残った。

今の現状を打破するためにチャレンジしたミナトレイヴ。

ひとまず成功したとはいえ素直に喜んではいられないというのが、今の気持ちです。

157名+見学者100名以上集めた影響で、様々な問題が起きているのも事実。次回開催のために解決しなくてはならないことが山積みです。

今のところ11月の何処かで開催予定ですので、今月中には問題を解決したいと思います。
集客数はどうでもよくて、皆で楽しくアニクラをやるために、お客様の安全・近隣との良好な関係・騒音対策。引き続きこれに力を入れていきたいと思います。

「イベンターが何かを語るには、イベントを作ってみせるしかない」

それだけですね。

それにしても、熱中症で倒れて救護テントに運ばれる人がいなくて本当によかった!

次のミナトレイヴも、楽しみにしていてください!

追記

これらの挑戦にあたって、東京の野外レイヴ Re:animation の公式ホームページを端から端まで読んで、かなり研究しました。

もしカンパ制の野外アニクラに挑戦されるのでしたら、一度御覧頂いたほうが良いと思います。

Re:animation ヒストリー

実はガッツリ参考にさせていただいてました。アーカイブを残していただき感謝です。

僕からは以上です!

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